肩あげ 羽織(男児) 被布(女児) 半衿
      
子供きもの
肩あげ・腰あげ
仕方

七五三やゆかたなどの子供のきものは、仕立上がりの既製品や譲られた着物をせることも多いと思いますが、体に合わないきものは子供に
とって大変な負担になりますから、着るお子さんのサイズに合わせて、
丈や裄(ゆき)を調整することが必要です。
チャレンジしてみましょう。
     
腰あげ仕方(男児・女児)

腰あげはその年齢にふさわしいあげ位置を決めるのがポイント。

@         身長から着丈を引いて、あげ寸法を出します。
               下表・下図を参照にして下さい。
A          背中心で腰あげ山の位置を決めます。
     2〜3歳児と4〜6歳児は[着丈+あげ寸法の1/2]の半分の所、
     7〜9歳児は[着丈+あげ寸法の1/3]の半分の所が標準ですが、
           きものの柄とのバランスを考慮し決めます。
B    背中心であげ山をとり、脇、袵(おくみ)ともに裾からの寸法を
     同寸にして、あげ山のラインを決めます。背、脇、袵付けまでは
     あげ寸法の1/2を、衿端ではあげ寸法の1/2+1pを測って、
         袵付けから斜めになるようにまち針を打ちます。
C  あげを縫います。上前は袵で1〜2本ひだをとって、衿の方に倒し、
    前端がきちんと合うようにします。下前は揃えず、ずれたままに
    しておきます。縫い糸は2本どりで二目落としで縫い、袵のひだ、
    袵付け、脇の縫い目などはひと針返して、しっかりと縫います。
                下図を参照にして下さい。

腰あげの縫い方

二目落としの縫い方

長い針目は2〜3p、短い針目は0.4〜0.5pにして縫い
針目と針目の間は0.2〜0.3p程度あける。

きせ山、ひだ山の返し方


腰あげの仕上がり図

   
腰あげ 羽織(男児) 被布(女児) 半衿
     
肩あげ仕方(男児・女児)

肩あげは肩幅、裄(ゆき)の調整のほかに、もうひとつの働きが
あります。お子さんは胸よりおなかが出ており、肩あげをすること
によってきものに余裕が生まれ、おなかのふくらみをカバーします。

@ 仕立上がりの裄からから着丈裄を引いて、あげ寸法を出します。
             下表・下図を参照にして下さい。
A   肩あげ山の位置を決めます。2〜3歳児は肩幅の半分の所、
  4〜6歳児は肩幅の中央から1p外側、7〜9歳児は肩幅の中央から
    2p外側に、あげ山の位置を決めます。前身頃は肩山から袖付け
     止まりに向かって1p脇側に、斜めの線になるようにとります。


後ろ                   
B  あげ山を袖付け止まりまで折ります。後ろ身頃ではあげ寸法の
  1/2を測り、肩山と結びます。前身頃では袖付け止まりで、後ろより
        1p袖側を測り、肩山と結んでまち針を打ちます。

肩あげのまち針の打ち方

C   肩あげを縫います。縫い糸は腰あげと同様の2本どり、
     二目落しで縫いますが、肩山の位置では三目落としにします。
     この部分は取れやすいので縫い始めと縫い終わりはひと針
      返して止め、表に針目を出さないように注意します。


二目落としの縫い方

長い針目は2〜3p、短い針目は0.4〜0.5pにして縫い
針目と針目の間は0.2〜0.3p程度あける。

肩あげ仕上がり図

後ろ                    

腰あげ・肩あげの仕上がり図


   
   
腰あげ 肩あげ 被布(女児) 半衿
   
羽織腰あげ仕方(男児)

羽織丈は長着丈の75〜80%くらいが目安ですが、晴着などは長めに
仕立ててあげをすることがあります。あげ自体が可愛いデザインになり
成長に合わせてあげを伸ばしていきましょう。

@    羽織丈と着裄丈はきものの寸法を基にして、割り出します。
A   背中心で、肩山から測り、残りをあげ寸法にして、きものと同様の
      やり方であげを取り、縫います。羽織の柄はもちろんですが、
      あげをひとつのデザインと考えて、位置と量を決めましょう。

羽織の腰あげと肩あげの仕上がり図

     
         
腰あげ 肩あげ 羽織(男児) 半衿
     
被布肩あげ仕方(女児)

被布の肩あげは、女児のきもの姿の可愛らしさを出す重要なポイント
です。また、肩あげをすることで、被布の胸やおなかまわりにゆとりが
出て長着の上に無理なく着ることができます。

@     縫い糸は腰あげと同様の2本どり、二目落しで縫い、
     ますが肩山の位置では三目落としにします。この部分は
         取れやすいので縫い始めと縫い終わりは、
      ひと針返して止め表に針目を出さないように注意します。

被布の肩あげの位置


被布肩あげの縫い方


被布の肩あげの仕上がり図

     
      
腰あげ 肩あげ 羽織(男児) 被布(女児) 半衿
     
丈詰め仕方

袴丈は長着の60%くらいが目安ですが、既製品などの長めの物を
そのままはくと、歩きにくく、だらしなく見えます。袴丈ははいたときに
くるぶしくらいが目安です。

  長着の着丈×0.6 くらいが標準寸法です。紐下の位置であげ寸法を
   測り、その1/2の寸法を山にして縫います。あげた部分は紐幅に
  かくれるくらいが理想的ですが、もし、それ以上あげが必要な場合は
            裾を裏側に折り返してまつります。

袴のあげ寸法の決め方



袴の腰あげ



       
腰あげ 肩あげ 羽織(男児) 被布(女児)
       
半衿かけ

半衿には無地、絞り、刺繍などのものがあります。
刺繍半衿は幅の中央に模様がありますから、着たときに
いちばん美しい部分が出るように、あらかじめ確認してから
縫うようにしてください。

@  半衿の端を1p内側に折って、半衿の中心と長襦袢の背中心を
    合わせます。長襦袢の裏衿のきせ山に沿わせ、中心から左右に
               適宜まち針を打ちます。

A  表に針目が出ないように、半衿と長襦袢の衿を本ぐけします。

本ぐけの縫い方

縫い合わせる布の端を少し折ってくけしろをとり、くけしろ
どうしを合わせて間に針を通して、くけしろだけを縫う方法。
縫い目はくけしろの端から0.1〜0.2p入った所で、
針目と針目の間隔は0.5〜0.7pくらい。
この方法は表に針目が出ません。

     
B     襦袢を表側に返して、半衿を衿幅に折り、本ぐけします。


もし、本ぐけが難しい場合はひと目落としで縫っても構いません。

ひと目落としの縫い方

本ぐけと同様にくけしろをとり、端から0.3pくらいの所を縫う。
針目は2〜2.5pくらいで、針目と針目の間は0.5p程度。
  
腰あげ 肩あげ 羽織(男児) 被布(女児) 半衿
   
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